RUNARX RUNNING COMPANY / ルナークス・ランニング・カンパニー - 埼玉県川口市のランニング・スペシャリティショップ

INFORMATION

シューズ考 

昨年、プロマウンテンアスリート小川壮太選手にロードランニングシューズについてお話しを伺いましたが、今回はトレイルランニングシューズについて伺わせてもらいました。
(R:ルナークスランニングカンパニー、S:小川壮太選手)

IMG_0543

R:まず、小川壮太選手自身がトレイルランニングシューズを選ぶ時に注意している点があれば教えてもらえますか?

S:はい、個人的にはこういう仕様じゃないとダメというのは基本ありません。しかし、トレイルランニングの場合は前後、左右、登り下りに身体を動かしバランスを取りながら走りますので、その体の動きたい方向を妨げないものを意識しています。

R:なるほど、壮太選手ならではの視点ですね。おっしゃる通り、アウターソールがビブラムメガグリップ仕様で底面がグリップしたとしても、アッパーのホールドが悪ければ足の横Gを抑えきれず走りづらいと思います。
DSC01566

R:それでは最近トレイルランニングシューズ界もロードのようにソールの厚みがあるいわゆる「厚底」シューズが増えてきていますが、この厚底ブームの流れを壮太選手はそれをどう見て、感じていますか?

S:確かに世界的には厚底シューズの流れがあります。しかし、海外と日本のトレイルの特徴の違いもありますので、日本のトレイルを考えると私自身は決して厚底だから良いわけではないと思っています。厚底にしてクッション性はあるけど、いつもの走り方ができなくなるようでは、そもそもよろしくありません。それを走りの動作で言うなら、脚の入れ替える動作(股関節や膝関節等の屈曲・伸展)が行いづらいものはNGです。もちろん、全ての厚底が動きづらい訳ではありませんが、こっちの方がより厚いからいいと考えるのではなく、足にフィットしてブレーキをかけず不安感なく転がるように前方へ重心移動できることの方が大事だと思います。

R:それは最初の質問でもあった自分に合うフィーリングが大切につながってきますね。そういう意味で自分の走り方やフィーリングを知ることが大切ということになるでしょうか。

IMG_0896

R:次に、ロードシューズのようにトレイルランニングシューズにもカーボンプレート入りが発表されています。これはどう思いますか?

S:トレイルランでもロードのようにカーボンプレートをしならせるシチュエーションもトレイルにはありますが、逆に柔らかいトレイルの場合はカーボンを曲げづらくなります。そのためトレイルランニングシューズのカーボンプレートに関しては、ロードのようにカーボンをしならせて進ませるものと捉えるより、カーボンプレートのロッカーに乗っかって転がるように前進を助けてくれるものと考えるのが妥当だと思います。それは100マイルなどの長距離や脚が疲れてきてから活きてくるはずです。

R:カーボンプレートを板バネというよりは、ロッキングチェアのように前進させ走行しやすくさせるものというのは新しい視点です!
65304616_492311754642930_2902289446936248320_n


R:最後にこれからトレイルランニングを始めたいという方にトレイルランニングシューズの選び方についてアドバイスはありますか?
DSC06541

S:まず、自分の足の長さや特長を知らなければ始まりません。しかし自分では判断できないことがあるので、専門店で足の計測や相談をしてから探して下さい。そして、自分がどういうトレイルランニングをしたいのか、すでにトレイルランニングをしているなら、今何を履いていて気に入っているところと気に入らないところを店員さんに相談してるといいでしょう。やってはいけないのは「あの人がいいって言ったから」「高いから」いいトレイルランニングシューズと決めてしまうことです。それが自分に合っている保障はありませんから。

R:販売店の責任も重要ということですね。確かに、そのシューズが原因でトレイルランが楽しめなかったり、場合によってはケガをしてしまったりと考えたら、ご相談を受ける販売店側もいい加減なものを勧められません。とても勉強になりました。ありがとうございました。

S:ありがとうございました。

Copyright © RUNAX RUNNING COMPANY. All Rights Reserved
PAGE
TOP