今回は、今テストシューズでお借りしている「アルトラ:エスカランテ(¥16,500+tax)」について見てみたいと思います。
まずは、実測データはこちら。
ヒール厚27mm-フォアフット厚27mm=オフセット0mm、重さ223g(26.0cm)
しかしアルトラが持つ他ブランドにはない特徴は、
①足指1本1本の機能を活かすために圧迫させない幅の広いトゥーボックス
②体の安定性を邪魔させない柔らかすぎないミッドソール
③素足で立ったままの自然な立ち姿勢を保つ前後同じソール厚のゼロドロップ
ここでエスカランテをよく理解するために数値の近いミズノ:ウェーブシャドウ2を見てみます。
実測データは、
ウェーブシャドウ2は、
「5mmドロップ」「足首をしっかり抑えるヒールカウンターとタン」「厚めの6mmインソール」
着地が乱れてもスムーズに前に流して進めてくれ、必要以上の捻じれ(オーバープロネーション/過回内)を予防し、快適なランニングをさせることを狙ったシューズがミズノ:ウェーブシャドウ2で、完成度の高いシューズです。
ランニングシューズは「快適に走るための道具」ですので、それからするとウェーブシャドウ2は100点です。でも、とても出来すぎたシューズなので、少し意地悪な言い方をすれば「フォームが悪くても、走れちゃう道具」とも言えます。
では、エスカランテではどうでしょう?
「ゼロドロップ」「柔らかすぎないミッドソール」「ヒールカウンターとシャンクなし」は、ウェーブシャドウ2のような安楽イスのようなシューズではなく、自らの良いランニングフォームを意識しなければ、楽に走ることができません。
アルトラのコピーでもある『人が生まれもった「走る能力」を活かす』は、「フォームが悪くても走らせてくれるシューズに慣れ、肩まで漬かった状態でいいですか?」「身体には効率よく前進させるプッシュ機能、ショックアブソーバー機能があるのに使わないんですか?」という意味があり、さらに言えばアルトラのシューズは「最低限は手伝うけど、できるだけ自分のチカラで」「必要以上に頼らせない」という意味も紐づいていると思います。
具体的には、ゼロドロップのシューズはフラットやフォアフット着地ではなくヒール着地をすると、踵側のソールが潰れた瞬間を切り取るとゼロドロップではなくなり、つま先側が厚くなる「マイナス」になるので、前進しづらくなります。
アルトラのコピーでもある『人が生まれもった「走る能力」を活かす』は、「フォームが悪くても走らせてくれるシューズに慣れ、肩まで漬かった状態でいいですか?」「身体には効率よく前進させるプッシュ機能、ショックアブソーバー機能があるのに使わないんですか?」という意味があり、さらに言えばアルトラのシューズは「最低限は手伝うけど、できるだけ自分のチカラで」「必要以上に頼らせない」という意味も紐づいていると思います。
具体的には、ゼロドロップのシューズはフラットやフォアフット着地ではなくヒール着地をすると、踵側のソールが潰れた瞬間を切り取るとゼロドロップではなくなり、つま先側が厚くなる「マイナス」になるので、前進しづらくなります。
また、インソール厚4mm+23mm厚のソールの厚みと柔らかすぎないミッドソール硬度は、ある程度のクッション性能はあるものの、正しいフォーム意識を持ち自らのショックアブソーバー機能を使わないと長い時間のランニングはきつくなりますし、シューズ中足部の樹脂パーツ「シャンク」や踵の芯「ヒールカウンター」がないので、それに寄りかかり頼り、甘やかしてくれません。
そういう点からエスカランテは、「自立」したランニングフォームが必要であり、換言すればそれが身につく近道シューズでもあります。
そういう点からエスカランテは、「自立」したランニングフォームが必要であり、換言すればそれが身につく近道シューズでもあります。
そんな「正しいフォーム意識」「人が持つ走る能力の向上」「ナチュラルな走行感」といったアルトラのコンセプトは、ランニングを続けるうえでとても大切で、無視して通るはできません。それを自動車の運転に例えるなら、車の性能に頼ってアクセルを踏んでスピードを出すのではなく(もしくは上手くなった気にならず)、自分自身のドライビングスキルを身に付けた方が快適で効率的でロスがないということだと考えます。
でも、だから言って、アルトラ最高!エスカランテ万歳!とは言いませんし、ウェーブシャドウ2は過保護!とも言いません。前述したようにランニングシューズは「快適に走るための道具」ですから、快適に楽しくランニングができたに越したことはありませんので、ウェーブシャドウ2のような構造を持つシューズは必要です。
しかし、立ち姿勢、ランニングフォームを見直したい、身体のバランス感を意識、リセットしたいと考える方は、1足持っておくと便利ですし、一つ上のステージに上がるためにも必要だと思います。
<補足>
このような構造のシューズが合わない、おすすめしないケースの足の方もいます。ご興味のある方は、ぜひご来店ください。