「フルマラソン完走のためにスポーツクラブでトレッドミルで走ってます!」という方がいたら、
「そんなんじゃフルは完走できないよ。完走したいなら距離を走らないと。」とベテランランナーさんに諭されてしまうでしょう。それは間違いではありませんね。
2016年アイアンマン・アリゾナで史上最速タイム 7:44:29で優勝、2017年アイアンマン・ワールドチャンピオンシップで8:04:07総合2位という成績のトッププロアスリート。(補足:アイアンマン・ディスタンス=スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195kmのトータル約226km)ちなみに彼はアイアンマン・アリゾナでのランパート42.195kmを2:42:31で走りきっています。スイム、バイクの後で、フルマラソンをこのタイムで走りきってしまうのですから驚かされます。
彼からしたら室内練習は、強い体を構築するための安定した環境、トレーニングの集中、効率、負荷という点で利があるので屋外練習に固執する必要が無いのだと思います。私の友人のサイクリストは、外に乗りに行って信号待ちや脚を止めてペダリングしない時間を考えたら、ズイフトで短時間で乗った方がトレーニング効果があると言っています。
(補足:ズイフト=自転車とトレーナーを繋ぎ、オンラインゲーム感覚で仮想空間のライドを楽しめる室内トレーニングシステム)
ズイフトとトレッドミルが連動して斜度が上がったりするのがあったら面白そうです。と思っていたら、あるようです。
もちろん、室内と屋外ではちょっとした身体の使い方でズレがあったりテクニカルがありますから、それは時々屋外でトレーニングをしてFixさせれば大丈夫なのでしょう。
もちろん、室内と屋外ではちょっとした身体の使い方でズレがあったりテクニカルがありますから、それは時々屋外でトレーニングをしてFixさせれば大丈夫なのでしょう。
私たちはライオネル・サンダース選手と同じような室内練習をするにはトレーニング機材や環境を整えることは現実的に難しいと思いますが、そのエッセンスを取り入れることはできます。
今年の6月末から8月の酷暑を思い出してください。この約2カ月間は、なかなか走れず短時間で済ませていたと思いますが、もしこの時期に室内練習で質のいい練習をして体を構築できていたら、今、涼しくなったこの9月からの練習内容が変わってくると思います。特に涼しい高地にお金と時間をかけて行かなくても、「超ねみー」と無理して早朝に早起きしなくてもいいんです。
特に12月にフルマラソンを予定している人にとっては、9月にすぐに良い走り込み練習ができるので、よい結果も期待できます。また12月~2月の厳冬期でも、寒さに関係なく筋肉の温まった状態で質のいい練習ができたら、月間走行距離が減ったとしても心配しなくていいかも知れません。
何となくトレーニングは外で行うもの、ランニングなら月間走行距離や走り込みというイメージがありますが、ライオネル・サンダース選手のような室内練習メインで結果を出しているところを見ると、私たちのトレーニングの考え方も変えなければいけないかもしれません。(無関係ですがオリンピックにオンラインゲーム「eスポーツ」が採用されるかもしれない時代ですから。)
来年以降も日本の夏は亜熱帯化した危険な酷暑がやってくるでしょう。スポーツクラブで「夏限定会員のトレッドミルによるZwiftランニングセッション」を組んでくれるなら入会してもいいかなと思いますが、どこか手を挙げてくれませんか?