フルマラソンでタイムアップを気にするランナーの方でしたら、「ヤッソ800」というワードを聞いたことがある、すでに取り入れているという方もいると思います。
(何それ?という方は、ここでは省きますので検索してください)
ルナークス・ランニング・カンパニーのフリーイベントではグループラン・ジョグ・ウォーク、ラン4スウィーツetcを行っていますが、裏イベントとしてヤッソ800を行っています(通称チームヤッパチ)。今までは1人で土日の夜や開店前の朝にやっていたのですが、せっかくなのでルナークス・ランニング・クラブのみんなに声をかけて都合がつく人と一緒に走ることにしています。
フルマラソンタイム向上云々という効果があるというヤッソ800ですが、僕は「効率的なフォーム意識を高める」練習として取り入れています。
例えばスピードや持久力(そしてフォーム改善)に効果のあるインターバル走が代表的ですが、負荷を強くしても追い込める人はいいのですが、負荷が強すぎてガムシャラになるあまりフォーム意識が薄れてしまったり、肉離れが起きたり、苦しくてストレスになったり、メニューがこなせず短時間で終了したり、そもそもスピードが上げられないetcということがあります。
逆に負荷の低いロングスロージョグは、昨今の高性能ランニングシューズも手伝って体軸意識なくオーバーストライド&ヒールストライクでも走れてしまいます。(補足:決して高性能シューズが悪ではなく、まずはシューズ性能に頼ってランニングを続けることが大切ということもフォローしておきます)
より快適に走りたい、タイムを上げたいと思うなら、スロージョグだけではなくスピードを上げて走ることも大切です。スピードを上げることで、上体と下体の捻り連動や「トン」と着地した反発を「足⇒膝⇒腰⇒脊椎⇒頭」へと突き抜ける軸意識を持ちやすいですから、いわゆる「効率のいいランニングフォーム」へのきっかけになります。
より快適に走りたい、タイムを上げたいと思うなら、スロージョグだけではなくスピードを上げて走ることも大切です。スピードを上げることで、上体と下体の捻り連動や「トン」と着地した反発を「足⇒膝⇒腰⇒脊椎⇒頭」へと突き抜ける軸意識を持ちやすいですから、いわゆる「効率のいいランニングフォーム」へのきっかけになります。
「じゃペース走でいいじゃん」
はい、レースペースを一定時間キープする練習はとてもいい練習です。これも前述したインターバル練習同様、それができる人は問題ありません。ペース走が体力的にモチベーション的に維持できない人は、ヤッソ800なら800mごとでレストが入るペース走(=ハイスピードではないレースペースでのインターバル走)なので、1本1本リフレッシュさせて10本前後を繰り返しやすく、後半までフォーム意識が比較的持ちやすいと思います。
しかし、それでも7、8本繰り返すとキツくなりペース維持が危うくなってきます。その時に、安易に地面の蹴りを強くして走る(アクセルを踏む=心拍数を上げる)ことでペースを維持回復するのではなく、体の前傾、足の着地と蹴りのリズム、腰の位置、脚の回転などを体の使い方を変えてみたり、
『ナイト・ランニングレッスン』で小川壮太選手が言う「脚を前で回す」や『ルナークス・ランニング・スクール』で菅谷コーチが指導するドリル練習を思い出し実践することで、ペースの維持回復を画策してみるのです。
そうやって探しているうちにある瞬間、スッと軽く体が前に出るポイントを見つけられたら、それを手放さないように次のセットでも繰り返し復習します。そうして「アクセル」を踏み込みが一定だけどペースが持続できた、もしくは上げられるようになったというのは心拍機能の向上+フォームの効率化できたと言えます。
これが先に言った「効率的なフォーム意識を高める」ということです。僕はそのスッと前に出る体の使い方を繰り返して自分に覚え込ませることを「煮込む」と言ってます。ちょうどよい火加減でじっくり煮込んで味を食材にしみ込ませるように、ちょうどいい速度でじっくり繰り返して良いフォームを体にしみ込ませる、というイメージです。
強火だと食材が焦げ、燃料も消耗します。とろ火だと燃費はいいですがなかなか食材に味がしみません。だから「ちょうどよい火加減」で走るということが言いたいのですが、自分にとってどこが「ちょうどよい」がどこなのか、それは1回では見つかりませんし、その時の体の状態で違います。
こう言うと「結局、それかよ」と怒られるかもしれませんが、継続して行わないと「自分にちょうどよい火加減」がわかりませんし、数回では「味」がしみません。
まず「ちょうどよい火加減」については、最初は目標とするフルマラソンタイムからペースを決めて5~6本走ってみて、このペースが楽ならペースを上げる、きつければ下げることで「火加減」を調節してみて探ってみてください。「火加減」を感覚やストップウォッチでやるのもいいですが、できればハートレートモニターを併用すると精度の高い「火力」を見つけられるのでオススメです。
そして「味」をしみ込ませるために、1度で終わることなく定期的に行うことでよくしみ込むと思います。
ちなみにフル5時間以上で完走が目標だから800mを5分でやるならば、ヤッソ800とは違いますが距離を短縮して800m4分ペースで、400m2分+ジョグ2分を10本などを目標してもよいかもしれません。
安定したしっかりしたどんぶりができれば、ご飯を盛ることができます。
(逆にご飯をどんどん盛るうちに、次第と器ができてくるという体育会系的な強い手段もあります。これはしんどいですし、回復力のある10~20歳代ならわからなくありませんが。)
水泳の場合は、腕をただブン回すのではなく、水中での低抵抗の姿勢や水をつかまえ後に送る意識を持つことで少ない力で推進し、そのポイントが体感できればどんどん速く泳げるようになります。
効率的なフォーム意識を持てるペースで走ることは、快適なランニングやタイムアップに近づけるはずです。そのために、点ではなく面で練習をする必要があり、残念ながらダウンロードしてサクサク走ることができるというわけにはいかないんです。
継続は力なり。
「結局、それかよ」
RUNARX RUNNING CO.
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