<4/20 グループラン60分>
今夜のグループランは、市立川口高校~芝川~青木公園の平坦コース。初心者からベテランまで集まった今夜、ランニングしながら様々な情報が交錯、共有、そして笑い声がある充実した時間でした。
RNX RC
LA SPORTIVA / HELIOS 2.0 ¥15,000+tax
ラ・スポルティバ(以下スポルティバ)はイタリアに本社があるコアなマウンテンシューズブランド。
同社はトレイルランシューズは「マウンテンランニング」と言い、トレイルランニングを登山のひとつとして考える哲学を感じます。そのマウンテンランニングのラインナップの中で、軽量シューズ「ヘリオス2.0」の仕様と特徴をみてみます。
まずは実測基本データはこちら。
メンズ(26.0cm)重さ195g/Heel25mm-Forefoot20mm=Offset5mm
ウィメンズ(23.5cm)重さ173g/Heel25mm-Forefoot20mm=Offset5mm
トレイルランシューズとは思えないくらい軽量のシューズです。カタログ上では、トレイルランニングの中でもスカイレース、ヴァーチカルと言った中短距離や登り中心のスピードレースを想定し、またロードランニングにも使えるという説明があります。
では、重さから比較してみます。
トレイルシューズで200g切るものは見当たらず、ロードシューズのアシックス:ターサージールTS、ミズノ:ウェーブアミュレットなどと同クラスです。パッと見では同じように見えませんね。
軽くすることは、何かを削ったり省略してそうさせるので、ある程度のリスクがあります。ヘリオス2.0にはシューズの大切なパーツである「ヒールカウンター」や「シャンク」を省略しています。
ヒールカウンターがないと着地時(片足で体を支持)に、シューズ内で足が動いて不安定感が現れがちですし、
シャンクが入っていないと着地~蹴りの動きの間に雑巾絞りのようにシューズが捻じれて足底筋を余計に伸ばすことがあるので、疲労感が出たり足底筋を痛める場合もあります。
ヒールカウンターやシャンクがないことのリスクをあえてお話ししましたが、ヘリオス2.0はヒールカウンターを入れない代わりに、足を包み込むアッパー素材を伸縮性がないメッシュ&シリコン素材、踵を包むように前に倒れたヒール部の角度、しっかり固定できるシューレースコードにより、踵や甲部分にピッタリさせ不安定さを抑え、前述のような症状が出ずらい工作をされています。
逆にソールの厚みと柔らかさについては、重さが同クラスのターサージールTSとアミュレットとはちょっと違います。ヒールの厚みは近いですが、フォアフット側は3mmほど厚くなっているのでドロップも5mmに抑えられ、フォアフット気味に着地しても突き上げ感がないのが特徴です。そのためターサーやアミュレットにはないフワッとした着地感があります。
柔らかさにいたっては、ミッドソールの質の違いに加えて、アウターソール形状がクッション性を手伝っている印象があります。
アウターソール全体にある波のような溝は、トレイルで路面をとらえて滑りづらくさせてくれる効果と、前足部の屈曲性の良さ、着地の時に形が変わることで衝撃を逃がす効果もあります。
「ソールの形を変えて力を逃がす」シューズの代表はONですが、それに近い仕事がこのソールでも行われています。
「軽量でクッション性がある」シューズは、ランナーにとって魅力的です。
当店で比較対象するならONクラウドフロー(ヒール28mm・フォアフット21mm/218g)ですし、
取り扱いはありませんが、ホカオネオネ:トレーサー(ヒール22mm・フォアフット18mm/198g)も対抗馬になる存在です。
ここまで軽いとヘタリが早いのでは?と考えてしまします。そのため、お客様のシューズ(4ヶ月ほど使用)を見させてもらったところではインソールの潰れとアウターソールの減りは見受けられましたが、どれも一般的な消耗で、特別消耗が激しいという印象はありませんでした。
これまで重さと構造のお話しでしたが、足を入れ良さもヘリオス2.0の長所です。
踵周りとベロが厚みがあるので、ドローコードの硬い締め付け感がなく、最近使用するシューズが増えつつあるオーソライト社製インソール(M's5mm/W's4mm)は、軽く通気性がある独特のスポンジ状の素材で、足裏や足指の圧力に対して優しく凹んでくれるため心地いい密着感が得られるのが特徴です。
ヘリオス2.0の優位性や長所を述べてきましたが、逆にこのシューズが当店としてはお勧めしづらいケースは以下と考えています。
・ランニング初心者
・ゆっくり長く走るためのシューズをお求めの方
・外反母趾など症状がある足関節が回内する方(簡単に言えば土踏まずが低い足の方。)
・足幅が広い方(比較的細めのラストです)
様々ヘリオス2.0の仕様を見てみました。そこで思うのが、このシューズはトレイルランニング以上(よりも)にロードランニングに可能性を感じさせるところです。
独特のソール形状も履いてみると全く気になりませんし、そのソールのおかげで軽くて足に優しいクッション性をもたらせてくれ、ジョグよりもペースを上げた時に効果があるシューズかと思います。
さらにもう一つ、このマウンテンシューズブランドのスポルティバ:ヘリオス2.0に感じている可能性として感じるのが、トライアスロンのランシューズとしての使用です。
トライアスロンのランセクションは、スイムとバイクを終えた疲れた状態でのランニングですので、体への負担を少なくしつつ前に進めてくれるシューズが求められます。
ヘリオス2.0は軽さ、通気性(&水抜けのよさ)/高クッション性/ヒールカウンターがないのでトランジットでシューズを履きやすい/ヒールカウンターがないので素足でも内外くるぶしが擦れることも少ない/踵~甲の履き口周りが厚く、柔らかいオーソライト製インソールなので素足で履いても足当たりが良い/ドロ―コードタイプのシューレースで素早くホールド/踵に引っ張り上げるフックが付いているので素早いトランジット可能。しかも明るいカラーで、トライアスロン用ですと言っても納得できる仕様になっていると思います。
トレイルランニングシューズをトライアスリートに勧めるショップもないかと思いますが(苦笑)、でもシューズの特徴をつぶさに見ていくとそう語っているのがわかるので私はそれを素直に皆様にお伝えするのみです。
トランジッションエリアで選手を待つランシューズの中で、もし「LA SPORTIVA」があったら、かなりイケてると思ってしまうのは私だけでしょうか。こんな様々な顔を持つスポルティバ/ヘリオス2.0。ぜひご一考下さい。
RUNARX RUNNING CO.
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